本当に役立つ災害食(被災経験者談)
自身が阪神大震災を経験。
東日本大震災、熊本地震、能登半島地震発生の折には現地へ赴き、被災直後から1年の間、被災者の方々の飲食の状態や健康状態を調査。
先ず発生するのがインフラの遮断。
電気、ガス、水道がストップし、近年で言えば携帯電話(スマートフォン)による情報の収集が難しくなる。
行政からの支援物資の到着や避難場所の設置にも想定・予想以上の時間がかかる。
被災者の教訓として一番強く訴えたいのは『被災時に自分を守るのは自分。』『各自が命を繋ぐための物は自分で用意・備蓄するべき。』
教訓
- 避難所に入る人は、自分の飲み物・食べ物を持って行くべき。
自宅で過ごす人には救援物資は届きにくい。
- 電気は1週間程度で復旧するが、ガスや水道の復旧には時間がかかる。
調理しないですぐに食べられるものを備蓄する。
- 弱者(乳幼児、高齢者、アレルギー対応食が必要な方々)も支援を頼らない。
家庭では、
1,被災時は不安やストレスで食欲がなくなるので、自分の好きな飲食物を備蓄する。
2,ローリングストックは多めに備蓄し、普段食べをして減った分を補充する。
3,備蓄品は、賞味期限が6ヶ月以上で、常温保存可能な物にする。
4,食べ物より飲み物をしっかり備蓄する。
5,使いきりサイズを選ぶ。
6,野菜や果物の加工品を重視して備蓄する。
《ステップ①/災害直後》
以下の飲食物を入れた非常時用持ち出し袋を準備しておくことが大事。
1,水や加熱が不要で腹の足しになる物。
2,自分の好きなや自分を癒すことのできる物。
- 飲み物。
《ステップ②/災害から1週間後位の時期》
1,主食
2,魚・肉のおかず
3,野菜のおかず
4,おやつ
5,飲み物
《ステップ③/災害から1ヶ月後位の時期》
野菜や新鮮な物を購入し、体力の回復を図る。
カセットコンロ等を使用しご飯を炊き出来るだけ被災前と同じような食事メニューを作る。
飲み物の中でも野菜ジュースは栄養価が高く被災時の野菜不足を解消してくれます。
《備蓄品の選び方》(家庭・個人の場合)
1,美味しいこと
2,自分の好きな物
3,普段から食べ慣れている物
4,同じ物の繰り返しにならない事
5,少なくとも6ヶ月以上日持ちする物
6,心と体を元気にすることが出来る物
私達には過去の経験を無駄にせず謙虚に学び、教訓として生かすことが求められています。
災害が頻繁に起こり、しかも広域化・巨大化しつつあります。
いつまでも行政に頼るやり方では通用しません。
自分の命は自分で守る、そのための準備をするという自助の心構えが最も重要です。
さらに共助。
ご近所同士の挨拶、声掛け、見守りなどが災害を乗り切る最短距離です。
最新の追加情報(2025.12.1 06:42発表)
津波などの災害時、一時的に避難する「指定緊急避難場所」で、備蓄や空調があるのは25%にとどまることが内閣府の全国調査で分かりました。
7月、ロシア・カムチャツカ半島沖の地震に伴う津波が各地で観測され、内閣府は、避難の実態を把握するため、津波被害が想定される自治体などの「指定緊急避難場所」を調査しました。
飲料水や非常食など備蓄がある場所は全体の25%、冷暖房を備えているのは25%と低い水準でした。
日よけがある屋外施設は2%、トイレが整備されているのは全体の50%にとどまりました。
さらに、自治体職員が不在でも避難者の数や健康状態を把握できる施設は25%でした。
この結果を受け、内閣府は自治体向けの指針を改定する方針です。
